ミネラルはビタミンと同様、体の維持や調整に不可欠な栄養素です。
ミネラルのバランスがとれていると体の機能が正常に働き健康を保つことができます。
必須ミネラル16種類
必須ミネラルは16種類あり、主要ミネラル8種類と微量ミネラル8種類があります。
主要ミネラルの主な働きと効用
カルシウム
骨や歯を構成する要素で神経の興奮を抑えたり出血時に血液を固まらせる働きがあります。
丈夫な歯と骨を作り、筋肉の働きをサポートします。
- 効用:精神安定、歯を丈夫にする、骨粗しょう症予防、高血圧、動脈硬化予防、筋肉の働きを良くする
- 不足:骨粗しょう症、肩こり、腰痛、イライラ、高血圧、動脈硬化、顎の発達不良
- 過剰摂取:高カルシウム血症
リン
多くの食品に含まれ、カルシウムとともに歯を強化します。
- 効用:丈夫な歯を作る、骨の強化、成長促進
- 不足:骨が弱くなる
- 過剰摂取:骨が弱くなる、人機能障害
カリウム
ナトリウムを排泄させ、血圧の上昇を抑制する働きがあります。
- 効用:むくみを解消、筋肉を正常に保つ、取りすぎた塩分を排泄、高血圧予防
- 不足:むくみ、高血圧、筋肉のけいれん
ナトリウム
日本人は取りすぎ傾向にあり、高血圧を引き起こす最大の原因です。
ナトリウムは主に食塩から接収されます。
- 効用:神経と筋肉の鎮静、排泄促進
- 不足:排泄障害
- 過剰摂取:むくみ、高血圧、動脈硬化、胃がん
マグネシウム
神経の興奮を抑えたり多くの酵素反応に必要です。
体内の代謝をサポートし、筋肉の動きを良くして心疾患を予防する。
- 効用:血圧の維持、歯を丈夫にする、体温の維持、筋肉の働きを良くする、骨を丈夫にする
- 不足:不整脈、高血圧、動脈硬化
- 過剰摂取:下痢
塩素
胃液中の塩酸に含まれ、消化酵素であるペプシンを活性化する働きがあります。
- 効用:消化促進、 pHバランス調整
- 不足:消化不良
- 過剰摂取:腸内細菌のバランスを崩す
イオウ
アミノ酸の構成要素として軟骨、骨、皮膚、爪、髪を作る働きに関与しています。
- 効用:骨や皮膚を作る、有害ミネラルの蓄積を防ぐ、肝臓の胆汁分泌促進
- 不足:皮膚炎、関節が弱る、解毒能力の低下
フッ素
フッ素カルシウムとして歯や骨の表面を覆い、歯のエナメル質を強化したり骨を丈夫にする働きがあります。
- 効用:歯の再石灰化促進、細菌抑制
- 不足:虫歯
- 過剰摂取:歯の表面が変質
微量ミネラルの主な働きと効用
人体の機能調節や維持に欠かせない微量栄養素です。
鉄
赤血球のヘモグロビンに含まれ体内の細胞に酸素を運びます。
調理の工夫で吸収率を上げ貧血症状を解消します。
- 効用:造血作用、成長促進、全身の機能を高める
- 不足:めまい、鉄欠乏性貧血、成長不良
- 過剰摂取:鉄沈着症、鉄中毒
ヨウ素
甲状腺ホルモンの材料で新陳代謝を促進ます。
- 効用:甲状腺ホルモン合成、成長促進、 エネルギー産生
- 不足:甲状腺腫、成長障害
- 過剰摂取:甲状腺腫
亜鉛
新陳代謝や免疫作用などを円滑にする働きがあります。
味覚を正常に保ち生殖機能を高めます。
- 効用:味覚を正常に保つ、生殖機能向上、脱毛予防、新陳代謝向上
- 不足:味覚障害、精子減退、成長不良
- 過剰摂取:急性亜鉛中毒
銅
鉄と共に赤血球のヘモグロビンを構成し、ホルモンの代謝を促します。
ヘモグロビンの合成やコラーゲンの生成に関与します。
- 効用:造血作用、骨の強化、血管壁強化、髪や皮膚の色を正常に保つ
- 不足:鉄欠乏性貧血、毛髪異常、発育障害
マンガン
骨の形成とアミノ酸、脂質、糖質の代謝をスムーズにします。
体内で働く酵素の構成成分となるミネラルです。
- 効用:抗酸化作用、骨を丈夫にする、エネルギー供給
- 不足:骨の成長障害、生殖機能障害
セレン
肝臓、腎臓に存在して抗酸化作用を担う酵素の構成成分
- 効用:抗酸化作用、抗がん作用
- 不足:体の老化が進む
- 過剰摂取:脱毛、嘔吐、下痢
クロム
血糖値を調整するインスリンの作用を助けます。
代謝向上で生活習慣病を予防。
- 効用:糖尿病予防、高血圧予防
- 不足:糖質、脂質の代謝低下
- 過剰摂取:嘔吐、下痢
モリブデン
肝臓や腎臓で酵素の働きを助け、老廃物である尿酸の代謝、糖質や脂質の代謝に関わっています。
- 効用:尿酸代謝、鉄欠乏性貧血予防
- 不足:鉄欠乏性貧血、尿酸代謝障害
- 過剰摂取:関節の痛み
最後に
ミネラルが不足すると貧血、味覚障害、骨粗しょう症など様々な体調不良につながります。
ミネラルは体内で作り出すことができないので特に不足しがちな妊婦や更年期を迎えた女性は食事やサプリメントで積極的に摂取しましょう!